「はい、じゃあ掃除しましょうね!」

サッと離れた崎本先生はメガネをかけてにこりと笑った。でもやっぱり感じる圧力は変わらなくて。

「崎本先生って…そんなキャラだったんですか?」

「は?何が?」

「え、もう隠してない!?喋り方も違うじゃないですか!“は?”とかいつも言わないですよね!?」

ドアの閉まった資料室は2人きり、カーテンが閉まってるから外からの視界は遮断されて、つまり今目の前にいる崎本先生のことを見ているのは…


私だけ。


えっ、えぇ…!?

これってどうなの…っ!?

「西山、そこにある本そっちの本棚に入れて」

…さん付けでもなくなった。

これが本当にあの崎本先生なの?

って、疑いたくもなるような態度の変化に眉間にしわを寄せてしまった。

だけど崎本先生はそんなのお構いなしでダンボールから本を取り出して本棚に並べていったから…

しょうがない、私も手伝ってあげようか寝てたのは本当だし。