「資料室での片付け手伝ってほしいんだよね」

ちょっと来てよ、と言われてついてった先は入ったこともなければこんなところにあったことも知らない場所だった。

入った瞬間埃臭くて、閉まったカーテンのせいで薄暗く息をするのにも戸惑うくらい。

これは…
正直やりたくない。

せっかく可愛くしてる制服も台無しになるわ。

「じゃあ掃除手伝ってね、西山さん」

にこっと笑う…
ううん、笑ってるのにその笑った顔が怖く感じる。微笑みから伝わる何とも言えない圧力のせいで。

「あの、どうして私が…?」

「いつも寝てる罰です」

「……。」

ぐぅの音も出ないわ…!

寝ている自覚はあるの、というか自覚しかないくらい。だからそれを持って来られると何も言えない。

だけど、こんな埃被ってる資料室の掃除をしなきゃいけないとも思えない…!

「逃げるのなしだよ?」

崎本先生が資料室から出ようとした私に気付いて、ドンッと壁を打ち付けるように手を伸ばし通れないように塞いだ。

カチャッとメガネを外して顔を近付ける。

「単位あげないよ?」

「…っ」

な…

なんですか…っ


その悪魔みたいな微笑みはなんですかーーーー!?