「やっぱ図書室にはないのかしら」

高校の図書室は学校の隅っこにある、教室からだと遠く今まで行ったことがなかった。でも来てみても探してる本はなかった。

どうしようかしら、他のやつでも…
うーん、全部英語で何て書いてあるかよくわからないわ。

正直どれがいいのかさっぱり…

数冊本を手に取ってみたけど、しっくり来なくてやっぱり本棚に戻してしまった。

どうしてもあの本がいいわ。

それはここにはなくて、そしたら…


「失礼します」


自ら来てしまった苦手な職員室へ。小山先生がジロッとこっちを見たのには気付いたけど、そんなのお構いなしに職員室の中へ足を踏み入れた。

「崎本先生!」

ふいーっと小山先生の視線から外れすように自分の机の前に座ってる崎本先生のところまで駆け寄る。

「西山さん、どうかしましたか?何かありました?」

「お願いがあるんですけど」

「お願い?…何ですか?僕が聞ける範囲なら」

はいっ!と目を輝かせる、これは崎本先生にしか聞けないお願いなんで。

「資料室開けてもらえませんか!貸して頂きたい本があるんです!」