「いやぁー、西山は真面目だな!」

はははっと笑って急に裏の崎本先生へのスイッチが入った。ここはそっちの崎本先生でいいんだ、誰もいないからかな裏庭だし。

「先生どうしたんですか?」

「んー?西山が1人で草取りするのが見えたからさ 」

よっと声を出しながら私の隣にしゃがんだ、まだ全然手を付けてなかった草取りを崎本先生が先に始めたから。とりあえずもう一度しゃがんでみた。

「西山、友達いらねぇの?」

「…なぜいない前提なんでしょうか?」

「あ、いたの?それは悪かった」

「いませんけど」

崎本先生が草を抜き始める、白くてキレイな手だけど私より大きくてゴツゴツしてる。草を引きの抜こうとすると手に力が入って血管が浮き出て、なんだか見入ってしまった。

「友達はいた方がいいぞ」

「…いりません」

「なんで?」

「こんな低俗ないじめをするような人たちとは友達になりたくありません」

「それは確かに」

崎本先生が目を大きくしてポンッと手を叩いた。私の言ってることは間違っていない。

「でもそうさせたのは西山だろ?」

なのにすぐに方向が変わったから、私を責めるみたいに。