「おじさん! ここって、本当にハインツェル伯爵家よね!?」
「あ、ああ、そうだけどね……」
「じゃあどうしてこんなことになっているの!?」
「そう言われてもねえ、お貴族様のことはわしにはよくわからんよ。それに、わしは普段はこの辺には来ないし、住まいはハインツェル伯爵領じゃなくて隣のアンデルス伯爵領だからねえ」
アンデルス伯爵領と聞いて、わたしはハッとした。
そうだ、ヨアヒムに聞けばいいのだ! アンデルス伯爵家の嫡男ヨアヒムはわたしの婚約者である。
今はどちらも亡くなっているが、わたしのおじい様とヨアヒムのおじい様が仲良しで、お互いの祖父の願いで幼い頃にわたしたちの婚約はまとめられた。
正直言って、二歳年上のヨアヒムとわたしは、恋人同士という関係ではなかったが、貴族の結婚なんてそんなものだ。
そして、いくら冷めきった関係だったとしても、未来の妻の実家の事情を婚約者が知らないはずがない。
……まずはお父様たちがどこにいるのかを探らないと!
「あ、ああ、そうだけどね……」
「じゃあどうしてこんなことになっているの!?」
「そう言われてもねえ、お貴族様のことはわしにはよくわからんよ。それに、わしは普段はこの辺には来ないし、住まいはハインツェル伯爵領じゃなくて隣のアンデルス伯爵領だからねえ」
アンデルス伯爵領と聞いて、わたしはハッとした。
そうだ、ヨアヒムに聞けばいいのだ! アンデルス伯爵家の嫡男ヨアヒムはわたしの婚約者である。
今はどちらも亡くなっているが、わたしのおじい様とヨアヒムのおじい様が仲良しで、お互いの祖父の願いで幼い頃にわたしたちの婚約はまとめられた。
正直言って、二歳年上のヨアヒムとわたしは、恋人同士という関係ではなかったが、貴族の結婚なんてそんなものだ。
そして、いくら冷めきった関係だったとしても、未来の妻の実家の事情を婚約者が知らないはずがない。
……まずはお父様たちがどこにいるのかを探らないと!