わたしたちの試験監督は第一聖魔法騎士団が受け持つそうだ。

 受験生ひとりに試験監督がひとりつき、フリードリヒ様は全体の監督者として同行したらしい。

 ……な、なんてラッキーな!!

 二十九歳のフリードリヒ様は、渋さが増してイケメン度合いに磨きがかかっていた。

 わずかに眉の寄ったちょっと厳しい表情もたまらない。

 ……ああ、素敵。

 昔は長かった銀髪は、今は肩をいくらか過ぎたくらいの長さになっている。

 フリードリヒ様はわたしたち受験生五人を順番に見やってから、試験の説明と注意事項を述べた。

 試験内容は、この病院内の患者を癒すこと。

 治療の難易度、人数については各自で判断し治療にあたること。

 ただし、力の使いすぎには注意すること。

「己の力量もわからず力を使いすぎて倒れるような団員は不要だ。聖魔法騎士団は騎士団の魔物討伐にも同行することになる。その際、魔力の使いすぎで倒れるようなことがあれば足手まといになり、最悪の場合は見捨てられる。心せよ」

 つまりは、魔力を使いすぎて倒れたらその時点で不合格ってことでいいのよね?

 手を抜くのはもちろんダメだけど、無茶をしてもダメ。多少の余力を残しつつ、どれだけの治療を行えるのか、それを見られているってことね。