留学組のグループは、わたしを含めて五人。

 そのうち三人がわたしと同時期に留学していた人たちで、顔見知りだ。

 お互いに「頑張ろうね~」と励まし合っていると、残りのふたりにじろりと睨まれた。多分このふたりは、去年の入団試験で落ちたのだと思う。留学していても必ず受かるとは言えないのだ。

 ……聖魔法騎士団って、百人受けてひとりかふたり受かればいい方だとか言われてるくらいだもんね。

 本当に狭き門なのである。そして、ヨアヒムの言葉を借りるのは癪だが、とってもエリートな集団なのだ。

 ……でも、家族の生活がかかっているから、わたしは落ちるわけにはいかないの。すーはーすーはー、落ち着けわたし。大丈夫、たくさん努力してきたんだから!

 病院の玄関に到着したわたしは、その場でしばらく待機しているように言われた。

 きっと試験監督の聖魔法騎士が来るのだろう。

 聖魔法騎士団は、一から五の団に分かれている。

 その中で第一聖魔法騎士団は別格扱いで、その団の団長は「総帥」と呼ばれ、全部の団を監督する立場にあった。つまり、聖魔法騎士団の中で一番偉い人だ。

 そして、現第一聖魔法騎士団の団長で総帥であるのが、わたしの憧れのフリードリヒ・シュベンクフェルト様である。