……ほうほう。留学組は別枠なのか。

 コーフェルト聖国に留学した人たちは聖魔法の基礎試験が免除されているため、ヨアヒムとはグループも試験内容も違うらしい。これであいつに煩わされなくて済む。

 わたしに遅れて掲示板にやってきたヨアヒムが、グループ分けを確かめて、それからわたしをじろりと睨んできたが、もちろん無視だ。

 ……あんたに睨まれても痛くもかゆくもないわよ。というか、あんたと結婚しなくて済むと思うと、お父様が投資に失敗してよかったとすら思えちゃうから不思議だわ。

 ヨアヒムとの婚約を望んだ今は亡きおじい様には悪いけど、おじい様のお友達がいい人だったからって、孫がそうだとは限らないのだ。

 わたしはヨアヒムに背を向けて、留学組が集まっている場所へ向かって歩きだした。