「そうそう、なにがあったかだったねえ」
お父様が白湯をひと口飲んで、「せめて砂糖とレモンがあればいいのにねえ」なんてこぼしつつ、事情を説明してくれる。
「ええっとね、実はパパ、投資に失敗しちゃってねえ」
投下された言葉の爆弾にわたしは目を剥いた。
「は!? 投資!?」
ハインツェル伯爵領は目立った特産品はなかったが、困窮するほど貧乏な領地ではなかった。お父様もお母様も大金を欲しがるような性格ではなかったため、これまで投資なんてしたことがなかったはずだ。
「ほら、いつまでも領地だけの収益だといつか没落するかもしれないだろう? パパの友達もそれで没落しちゃったし、今はいいけどエッケハルトの代まで安全かどうかはわからないから、パパも頑張ってみようと思ったんだよね」
「……そして、失敗したのね」
「うんそうなんだよね~!」
あはは~と笑っているが笑い事ではなかった。
だが、投資に失敗したのはわかるが、どうして邸をふたつとも手放す羽目になっているのだろう。
……というか、投資に回すほどの貯蓄ってうちにあったかしら?
怪しい……。
お父様が白湯をひと口飲んで、「せめて砂糖とレモンがあればいいのにねえ」なんてこぼしつつ、事情を説明してくれる。
「ええっとね、実はパパ、投資に失敗しちゃってねえ」
投下された言葉の爆弾にわたしは目を剥いた。
「は!? 投資!?」
ハインツェル伯爵領は目立った特産品はなかったが、困窮するほど貧乏な領地ではなかった。お父様もお母様も大金を欲しがるような性格ではなかったため、これまで投資なんてしたことがなかったはずだ。
「ほら、いつまでも領地だけの収益だといつか没落するかもしれないだろう? パパの友達もそれで没落しちゃったし、今はいいけどエッケハルトの代まで安全かどうかはわからないから、パパも頑張ってみようと思ったんだよね」
「……そして、失敗したのね」
「うんそうなんだよね~!」
あはは~と笑っているが笑い事ではなかった。
だが、投資に失敗したのはわかるが、どうして邸をふたつとも手放す羽目になっているのだろう。
……というか、投資に回すほどの貯蓄ってうちにあったかしら?
怪しい……。