入って来た人物を見て、あたしの手は"宝物"を掴む前にベッドに落ちた。



「………っっ」



なんでっっ!?



『久しぶりだな。会いたかったぜ』



あたしは……。

会いたくなんてなかった………!!



『せっかく引き取ってやったのに、この恩知らずが』



忘れるわけがない。



無表情で、あたしを見るその人を……。



「――――」



その人を睨み付けるも、その名を呼ぶ声が震えるのはどうしようもなかった……。