「血なんざ関係ねえわ」


「ああ。桂の言う通り、俺らがハイネを妹だと思い、ハイネが俺らを"兄""家族"だと思ってくれてる。それだけでいいんだ」


「っっ!!」


「そんな大事な"家族"が拐われた…」



竜ちゃんがギリッと唇を噛む。



―――後悔――



俺を含めて"黒豹"全員の胸を占めるもの。



「頼む!!芹原優の居場所を教えてくれ!!今この時もチビが泣いてるかもしれねえんだ…!!」



竜ちゃんが頭を下げるから、俺も下げる。



痛い思いをしてるかもしれねえ……………。

怯えてるかもしれねえ…………。



そう考えるだけで、いてもたってもいられねえ。



「"アレ"が泣く!?ないない!!だって、どんなことされても笑ってたもの!!今だって……」


「あんた、どうしようもないな」



俺は下げてた頭を上げて、睨むでもなく女を見る。



「ハァ!?」



女の片眉がハネ上がる。


常に笑ってる奴なんかいるか。




チビ助は。