「竜ちゃんよ、なんで頭から血だしてんだ!?」



結構な量流れてんぞ!?

人に自分を傷つけるなと言っといて。



「ここに来る途中で転んだ……俺としたことが…」



クソッッ!!

後でチビ拐った奴にバイクの修理代払わせたる!!と怒れる男竜ちゃんは、グイッと乱暴に服の袖で顔に垂れてる血を拭う。



「竜希……さん」



竜ちゃんが来た途端、真っ赤になってモジモジしだす女。



竜ちゃんが好みだってか。



が、悪いな。

うちの総長は今。



「あんたのイトコってのも間違いじゃねえが、今は"黒豹"の姫で、俺らの大事な…大事な妹なんだ」



"妹"のことで頭が一杯だ。



「その大事な妹が、あんたの兄貴と一緒に居る可能性がある」



女の顔がみるみる歪むも竜ちゃんは、いつものお馬鹿な声とは正反対の真剣な声で続ける。



「妹!?血も繋がってないのに!?」



それを、フンッと鼻で笑う女。



血の繋がり??

そんなもん、こっちから鼻で笑ってやる。