『誰だ?あんた。調子いいこと言ってんじゃねぇ。消えろ』



俺らしくない?

俺の何を知ってんだ?



"血も涙もねぇ、冷血人間がっっ!!"



昔は、度々浴びせられた言葉。



そうだな。

んなのは俺が一番よく知ってるよ。



けど。

"黒豹"に入り、仲間がいる楽しさを知り。

"チビ助"が加わったことで慈しむことを覚えた。



"俺"を語っていいのは、アイツらだけだ。



冷めた目で、シャシャリ出てきた女を一瞥すれば、真っ青になって走って逃げていく。



――――――………………



来た。



目的の人物が、ようやく目の前に現れる。



壁から体を起こしそっちに向かって歩きだせば、まだ居る女達の視線が追ってくる。



そんなんだから、ソイツがこっちに気付き俺と目があった瞬間。



ヤバい。


とばかりに顔を背け、逃げ出そうとする。



八雲。

ビンゴみたいだぜ。



逃がすかよ。



「ちょっ!?離し………」


「芹原美優だな?話がある」