「痛っつ」



折れて……はないよね?

踏まれた手を確認する。

大丈夫……だと思う。



キツく握りしめていた指をなんとかこじ開ければ、真っ白なホイッスルが出てくる。



どこも壊れた様子はない。



「良かったぁぁぁ」



うん。

まだ大丈夫だ。


痛いけど…。

怖いけど…。



あたしには、まだコレがある。



ホイッスルに彫られた"黒豹"



"ハイネ"



"チビ!!"



"チビ助"



"ハイネ"



"チビネ!!"



""チビ姫ーー!!!!""





思い出す、皆の声。



負けない!!


きっと皆が来てくれる!!


それまであたしは、あたしに出来ることをしよう。




とりあえずは、2度と取られないように、ホイッスルをまた首にかける。



「ぐぅぅ……痛い」




もうすでに、自分の一部となってるホイッスルの重みと感触に安堵する。





八雲さんーー