蓮side



「お願いします!!ほんの少しでいいんです!!桐子さんと話をさせて下さい!!」


チビネが見つからないまま、朝がきた。



空が明るくなると同時に、俺は小日向桐子の家のインターホンを押した。



「なんですか!!こんな朝早く、非常識な!!」


「失礼なことだとは重々承知してます。すみません!!少し、ほんの少しでいいんで!!"黒豹"の青木蓮と言っていただけたら…」


「警備員を呼びますよ!!あなたのような不良が桐子お嬢様に何の用があると言うの!?さっさと帰りなさい!!」



昔から、外見のせいで謂われない悪口を…陰口を言われてきた。



"目が怖い"


"目を合わせたら、何されるかわからない"


"あの目、人を殺しててもおかしくないよね"


"もうヤ◯ザだろ"


"近寄らないで"


"怖い""怖い"



俺だって、好きでこんな顔に生まれたわけじゃねえよ。



でもチビネ、お前はいつも言ってくれるよな。



「蓮くんはカッコいいよ」


「その悪人顔、あたしは好きだよ」



って。


それに昨日、俺を太陽だと。


クリスマスプレゼントだと貰った手袋を握りしめる。