そうして施設に行くことを決め、住み慣れた家から出て施設に行く日。



「じゃあハイネちゃん。行きましょうか」


「は…」


「待て」



施設の人とあたしの前に立ちはだかる人が。



「コイツは俺の家で預かる」


「は??!!」


「なんなんですか!?貴方は!!ハイネちゃんは…」


「施設には話をつけてある」



そう言ってガッとあたしの手を掴み歩き出す。



「待ってくださいっっ!!貴方は誰なんですか!?どうして、あたしを」


「俺は…」





ーーーーーー




「優さん、あたしをこんなところに連れて来てどうするつもりですか?」




あの時、そして今。

あたしの前に立ちはだかるのは。



芹原優|《せりはらゆう》




父の姉の息子で。



あたし従兄|《いとこ》だ。