浜野 紗奈
  まなみ市に引越してきた
  無自覚の超絶美少女
  ドジで、いつもたくみに
  助けられている

   海菜 たくみ
  曲がっていることが大嫌い
  クールなイケメンだと
  言われているが、本当は優しい






 「あ〜、重い」
 今日は、引越し当日。
重い荷物を持って、すごく暑い町を移動中。

 信号が赤だから止まっているのに…
汗がだらだら落ちてくる……

 「あっ、青になった」
進もうとした時…


「きゃあ!」


荷物が重すぎて倒れてしまった。
うぅ、痛いの嫌いなのに…

あれ?
痛身を覚悟したのに…
痛くないな?

「重い……」

えっ!
「きゃっ!ごめんなさい」
なんと、目の前にいた男の子に向かって倒れてしまったのだ。

 一応、ケガもしないで済んだしお礼言わないと…

お礼を言おうと顔を見ようとした。

ひゃっ
びっ、びっくりした……
だっ、だって、この子すっごいかっこいいんだもん

…あっ!お礼お礼
「ありがとう」

 お礼を言うと、その子は返事をせずに私の荷物を持ってくれた。

意外と優しい…
って、意外は失礼だよね……

 その子は、ずっと荷物を持ってくれて、家の近くまで持ってくれた。

「ここまででいいよ」

「ん」
それだけ言って、その子は、どこかに行ってしまった。
「あっ、ありがとう!」
と、聞こえるように大きな声で伝えた。

あっ!名前聞くの忘れてた……
また会えるといいな〜

この時は、この子とすぐに再開することになるなんて考えてもいなかった。