稀だけど、学校にいるときにプライベート用のスマホに、" 情報屋 "から連絡が入るんだ。


更に、プライベート用のスマホには闇月としての情報や……私がいた"施設"の連絡先も入っているから、もはや私の全てが入っているといっても過言ではない。


だから、喋りかけてくる人と隣になるとプライベート用のスマホは絶対に触れない。


急に話しかけてきて、スマホの中を見られたら困るし、ましてや私の" 本名 "がバレたら大変だ。


なので、できれば大人しい人がいいな……。




「えっ！？なになに、もしかして………！？」



柚葉が困惑したような、嬉しそうな声を出す。


も、もしかしてって何？


それに、中田くんもなんか下を向いてるから顔は見えないけど、耳が紅くなってる……。



「柚葉ちゃん、どういうこと……？」


「もーー！この天然鈍感なんだからー！」



ムニムニと私の頬を撫で回す柚葉ちゃん。


え？え……？本当に分からない……。


柚葉ちゃんがわかって、私に分からないこと……？


ていうか、天然鈍感って……。



「天然なのは、柚葉ちゃんでしょ？」




し〜〜〜〜〜ん。




え……？何、この空気。


柚葉ちゃんと中田くんがすごい顔で見てくる。



「ダメだ…。この子は私には無理だ。中田くん、頑張れ」



ガックリと、肩を落とす中田くん。



「ねぇ、本当にどうゆう………」



私がそう言いかけたとき。


キーンコーンカーンコーンと、チャイムが鳴った。