丁度進路に迷っていた私は、そいつが通う予定のこの高校に来たんだ。


でも、もう知っている情報を聞くっていうのは、また違うんだよね。


柚葉ちゃんは、私は情報に疎いって思ってるから。


正直、私は誰よりも皆のことを知ってると思う。



「興味ないわけじゃないよ?ただ、『ふぅ〜ん』って感じなだけで」


「それって、興味ないじゃん!」



その言葉に、苦笑いを返した。


それを見た柚葉ちゃんは少し不満気な顔をした後、教室の壁を見上げ、「あっ……!もうすぐだ!」と声を上げた。


私もつられて教室を見上げると、心の中ではぁ……とため息を付く。


ついにこの時間が来たんだ……。


心の中だけでなく、口からも「はぁ……」とため息が出る。



「せーちゃん!!時間だよ!!ほら、行こう!」