―――ピピピッ。ピピピッ。ピピッ……。


目覚まし時計を止め、体を起こし学校へ行く準備をする。


私は一人暮らしだから、朝から少し家事もして、制服に着替えた。


朝ご飯は食べない派だから、食べずに学校に行く。


そしてカバンを持って家を出ようとしたとき。



「………おっと。変装しなきゃ」



もう一度リビングに戻りお目当ての物を見つけ、鏡を見る。


私の手には、大きな瓶底眼鏡に黒髪のウィッグ。


なんでこんな物を持っているかというと。


私の母方のおばあちゃんが日本人ではなくて、私はいわゆるクウォーターなんだ。


だから私は水色に近い青の瞳に金髪。


けど、学校は髪を染めるのは禁止。たとえ地毛であっても金髪は許してもらえないだろう。


私の高校は、そういうところは厳しい。まぁ、"例外"もあるけど。


私はこの髪の色を気に入っているし、おばあちゃん、お母さんと継いできたこの髪の色を染めるなんてしたくないので私はウィッグをかぶることにしている。


そして、ウィッグをかぶって眼鏡をかけたら、地味子の完成！



「……行ってきます」



誰もいない部屋に声をかけ、家を出る。


外に出ると、丁度通勤時間で、皆早足で歩いている。


それをなんとなく眺めながら学校へ向かう。


学校に近づいていくと、同じ制服を着た子たちが増えてきた。


学校に着いて、自分の教室に行くと、私は真っ先にある人のところへ行く。



「柚葉ちゃん、おはよう」


「あっ…！せーちゃんおはよ！」



私が声をかけると、ニコッと笑顔で返してくれた。