まぁ、朝のこの時間は絶対に座ってるし。


HRが終わったらすぐに出ていくけど。


先生が来て、朝のHRが行われた。


ばーーっと先生が今日の連絡事項を皆に伝えると、さっさと教室を出て行ってしまった。


ウチのクラスの先生はあっさり系のおじさんだし、授業だって淡々と一方的に喋ってすぐ終わり。


生徒にあんまり関心がないみたい。


ぼぅ……と先生が出て行った扉を見つめていると、急に隣でガタッと席を立つ音がして、ビクッと肩が跳ね上がった。


視線だけそちらに向けると、浮島 瀬那が立ち上がっていた。


それに続いて、次々と青藍のメンバーが立ち上がる。


そして、5人揃って教室を出ていった。


その光景をクラス全員で見送ってから、皆が喋り始める。


私も席を立って柚葉ちゃんのところに行った。





「柚葉ちゃ〜〜ん。私、あの席やっぱ無理かも……」



「急にどうしたの、せーちゃん!」




私が緩く抱きつくと、ぎゅっと抱きしめ返してくれる。


柚葉ちゃんといると落ち着く……。


って、違う!!!柚葉ちゃんは、私がこの学校にいる間の友達" 役 "。


私はキャップを取り戻したら、この学校をやめる。


それまで誰にも怪しまれないように、注目されないように、友達が一人くらいいたほうがいいから。


そのほうが都合が良いから。




「2人って、ハグするの好きなの?」



スッと現れた中田くんは若干呆れ気味。



「ふふっ!いいでしょー、中田くん。私達は親友だから、遠慮なくぎゅってできるの。いいでしょー?」