お父さんは警察官で、いつも口癖のように『困っている人を助けて、むやみに人を傷つけてはいけないよ』って。


私も、きっと本能でそれを守って、自分が耐えればいいって思い込んでたんだ。


でも、私が耐える必要はない。


その人のストレス解消に協力するつもりなんて、私はない!


勿論、やり返そうなんて思ってない。


けど、自分の身を守るくらいはやりたい。


私にだって、そのくらいの権利はあるはずだ。






それからは、とにかく抵抗した。


私が抵抗し始めると、いじめていた人達がやり返されると思ったのから私をリンチしようと大人数で囲まれる事もあったが、それも全て一瞬で終わられた。




気づいたら、誰も暴力を振るおうとはしなくなった。


だけど、やっぱり誰も味方にはなってくれなくて。


私はずっと皆に遠巻きにされていた。


それで残りの小学生生活を終わらせた―――――。






*   *   *   *



――――ヴヴヴッ。ヴヴヴッ。




「んっ………」



パチ、と目を開けると、天井が視界いっぱいに広がっていた。



「私……寝てた?」



ゆっくりと周りを見渡すと、私はソファに横になって寝ていたみたい。


今のは………昔の夢だった。


思い出したくない、嫌な記憶。


でも……私にとってはもう過去。吹っ切りたい。


って、今何時………!


パッとスマホで時間を確認すると……。



「22時30分!?」