「睨み合い勝負……ですか」


「そ。お互い、睨み合って圧をかけ合うゲーム。

ルールは簡単。至近距離で睨み合って先に目を逸らしたほうの負けで、負けた方は勝ったほうの言うことをなんでも3つ、きくっていうことで」


「なんですか、その変なゲーム。嫌ですよ、絶対」




絶対に面倒くさいし、私は早く帰りたい。


この人、やっぱり勘が良くて正直居心地が悪い。




「まぁまぁ〜そう言わずにさ」


「それに、そのゲームをやって私に何のメリットがあるんですか?」




宇月 輝にメリットがあるのはわかる。


全校生徒の個人情報を全て記憶しているなら、個人情報にロックをかけている私のことも知っているはず。


だから、この勝負を宇月 輝が勝てば、私の個人情報を聞くことができる。


宇月 輝はどうやら私の個人情報がわからないことで私の事を怪しんでるみたいだし……。


それに変わって私にはメリットがなんにもない。


そんなの理不尽だよ……。




「うーん。……あ、もう2度と俺は夢犀 星那チャンには近づきませんってのはどう?」


「いいですね、それ。ていうか、これからも話しかけてくるつもりだったんですか」


「まぁね。だってさ、君も知ってると思うけど君の個人情報にロックがかかってるからね。

俺は心配性だからさぁ〜。全員の個人情報知ってないと不安なんだよね〜」




心配性って……。




「さ、早くやろ。俺、帰りたいし」