「そういう嘘もバレバレ。で、どこで俺の顔覚えたの」




計算外だった。まさか、あっさり嘘がバレるなんて……!


私は壁に追いやられて、今は宇月 輝に壁ドンをされている状態。


顔が近すぎる……!


ていうか、私は必要になったら情報を調べる派だから、宇月 輝の情報は知らない。


学校も来ないみたいで、一生関わらないと思ってたのに…!


宇月 輝のことは、本当に噂程度しか知らない。


まず、名前は宇月 輝(うづき あきら)。


喧嘩が強いけれど、どこの族にも所属していない。


さらに、ハッカーとしての能力もすごくて、No.3の実力。


そして………私と同じ中学校である。


同じ中学校であっても、見かけることは両手で数えられるくらいしかない。


もう本当に、これだけの情報しかわからない。




「ど、どこって言われても…。本当に写真を見たんです」



これは嘘じゃない。でも実際は、友達ではなく学校の書類を見たんだ。


高校入学が決まっとき、その高校に誰が居るのか調べるために一通り目を通して、その時に顔を知ったんだ。


けど、そんな事言えるはずがない。


一般の人が学校の個人情報を見るなんてどう考えてもおかしいよね。




「……ふーん。そんなに言いたくないなら、いいよ」


「えっ……?」




い、いいの……?心の中でガッツポーズした瞬間。




「ただし。俺と……睨み合い勝負すること」


「へっ……?」




心の中でガッツポーズしていた腕が、ゆるゆると下がっていった。