いくら夢犀 星那の情報を探っても、1ミリも出てこない。


出てくるのは、名前と年齢のみ。


住所も、連絡先も、家族構成すらも分からなかった。


一体どういうことだ?


成績を見た感じ、全ての教科が可もなく不可もなくで、運動も平均くらいだ。


No.3のハッカーの俺が分からないとなると、No.2のやつかNo.1の奴が夢犀 星那の個人情報にロックをかけたということだ。


No.2の奴は、だいたい想像がつく。


夢犀 星那と同じクラスで、青藍の副総長……水口 遥だ。


だが、No.1の情報は一切ない。


しかし、No.1は――――闇月ではないかといわれている。


No.2の水口 遥と夢犀 星那は繋がりが一切ない。


水口 遥が、何の繋がりもない夢犀 星那の情報にロックをかけるとは思えない。


だから、夢犀 星那の情報にロックをかけたのは、No.1といわれている闇月だということだ。


ってことはつまり……夢犀 星那と闇月は関わりがある?


っと、今はそうじゃなくて早く助けないと。


俺は曲がり角から身を出すと、夢犀 星那の腕をつかみ、声をかけた。




「ねぇ、その子、嫌がってるよ?」





すると、すごい勢いでこちらを振り返った2人。


夢犀 星那は、目を見開いて、驚いている様子。


おしてオヤジは、俺を睨んでいた。



「あぁん?んだテメぇ」




「……聞こえなかった?その子、嫌がってるよ?」


「はぁぁぁ?お前にはカンケーねぇだろ?」