何かやってたのかな。息遣いも全然聞こえないし、足音だって全然立ってない。



「中田くんて、全然音立てないよね。何かやってるの?」


「え?いや、何もやってないよ。どうして急に?」


「い、いや気になって……」


「そっか」



きゅ、急に「音立てないよね」なんて言われたら変だよね……!


怪しまれる行動は控えなきゃ……。


ぐっと心に決めていた私は気づかなかった―――。


中田くんが、目を鋭くしていたことに―――。