新月の夜。


ある倉庫にて、取引が行われていた。


倉庫は、見た目はボロボロだけど中は広く、開放感がある。



「これで取引は完了だ」


「ああ。また頼むよ」



中では2人の男が向き合って立っている。


2人の間には机が置いてあり、その上には沢山の粉が密閉された袋がアタッシュケースに敷き詰められている。



「それでは、解散に……」


「あっ……!おい、待て!」



外で男の焦った声がすると、バンッ!と勢いよく扉が開いた。


そこに立っていたのは、キャップとフードを深く被った女だった。



「だっ、誰だテメぇ……!おい、見張りはどうした!」


「すみません……!全員やられてました……!」


「チッ……!おい、やるぞ!」



片方がそう言うと、もう片方の男が頷いた。


そして、女に向かって走って行く。



「………」



女は腰を落とし、構える。


そして、突っ込んできた男達の攻撃をかわし、回し蹴りした。


すると、足が男達の首元にあたる。



「ぐ、ぁ……!」


「うっ……」



ドサドサッと音を立てて男が倒れた。



「そ、総長……!?お前!」



女の後を追ってきた男が、倒れた男達を見て顔を真赤にした。


襲いかかってきた男をサラリとかわした女はまたも足で攻撃し、相手をノックアウトする。