「夏目さん、すみませんっ……お待たせしました」
いつもと変わらぬ声で私の名前を呼ぶ長瀬。
「全然待ってない、けど……なんで制服?」
いや別に、長瀬の私服が見れるかもしれないって楽しみにしてた訳じゃないよ。
うん。
普通に気になるでしょ、休日に制服着てたら。
一人で頭の中でそう会話していると、当の本人は自分の姿を見下ろして頬をかく。
「えっと、委員会の仕事で、先生にちょっと呼び出されて……」
「へー、長瀬って何委員だっけ?」
ゲームセンターに入りながらそう聞くと、長瀬はキョロキョロと周りを見渡しながら、心做しか上ずった声で返事をする。
「保健委員です。中学の時からやってるので、なんとなく高校でもやっ……あった!」
っ、び、びっくりした……。
突然大きな声を出すから驚いて、あれじゃない?と言おうとしていた口が硬直する。
「あ、リリーだ」
やっとのことでそう口にすると、私の言葉を聞いた長瀬がスイッチが入ったかのようにキラキラした顔で喋り出す。
「そうなんですっそうなんです!今回のラインナップは主人公のリリーはもちろん、リリーのライバルのカンナやランス、新キャラのエミリーもいてっ!」
運営さんって神なのかな……?と一人でガラスに張り付いてる長瀬。
それを見ているとなんだか弟と重なって面白い。
「で、私は誰を取ればいいの?」
「そうですね……」
たぶん長瀬的には全員欲しいんだろうけど、この店舗のルールで、ぬいぐるみは取れても一人一つまで。
つまり、私たちは二人だから二つまで。
「……リリーとカンナで並べたい……っ、でも、カンナとランスでもありだなぁ……いやいや、やっぱりここは新キャラか……?」
……やっぱり迷ってるし。
眉の間にシワを寄せて真剣に考えている長瀬の横で、百円を入れて、アームを動かす。
「へっ?な、夏目さん……?」
「とりあえず二つ取る。あとの二つは別の店舗で取ればいいでしょ」
いつもと変わらぬ声で私の名前を呼ぶ長瀬。
「全然待ってない、けど……なんで制服?」
いや別に、長瀬の私服が見れるかもしれないって楽しみにしてた訳じゃないよ。
うん。
普通に気になるでしょ、休日に制服着てたら。
一人で頭の中でそう会話していると、当の本人は自分の姿を見下ろして頬をかく。
「えっと、委員会の仕事で、先生にちょっと呼び出されて……」
「へー、長瀬って何委員だっけ?」
ゲームセンターに入りながらそう聞くと、長瀬はキョロキョロと周りを見渡しながら、心做しか上ずった声で返事をする。
「保健委員です。中学の時からやってるので、なんとなく高校でもやっ……あった!」
っ、び、びっくりした……。
突然大きな声を出すから驚いて、あれじゃない?と言おうとしていた口が硬直する。
「あ、リリーだ」
やっとのことでそう口にすると、私の言葉を聞いた長瀬がスイッチが入ったかのようにキラキラした顔で喋り出す。
「そうなんですっそうなんです!今回のラインナップは主人公のリリーはもちろん、リリーのライバルのカンナやランス、新キャラのエミリーもいてっ!」
運営さんって神なのかな……?と一人でガラスに張り付いてる長瀬。
それを見ているとなんだか弟と重なって面白い。
「で、私は誰を取ればいいの?」
「そうですね……」
たぶん長瀬的には全員欲しいんだろうけど、この店舗のルールで、ぬいぐるみは取れても一人一つまで。
つまり、私たちは二人だから二つまで。
「……リリーとカンナで並べたい……っ、でも、カンナとランスでもありだなぁ……いやいや、やっぱりここは新キャラか……?」
……やっぱり迷ってるし。
眉の間にシワを寄せて真剣に考えている長瀬の横で、百円を入れて、アームを動かす。
「へっ?な、夏目さん……?」
「とりあえず二つ取る。あとの二つは別の店舗で取ればいいでしょ」