るいくんに助けてもらってから……


るいくんに、消しゴムを拾ってもらったとき…
 「あっ、ありがとうございますっ」
と言って逃げちゃったり…

るいくんの手に私の手が当たっちゃった時…
 「ひっ、ひゃーっ!」
 と叫んでしまったり…

なんだか、自分が自分じゃないみたいにドキドキしている

 そのせいか……
今は……
るいくんを避けてしまっている……

 終わった……

「うぅ、どうすればいいの?」
誰も来ない、階段裏で独り言が、もれた私…

「大丈夫〜」
「いいえ。大丈夫じゃないです…」

ん?
誰?
ゆっくり振り返ると…
「優斗くん」
「なんか、ここに来てるの見えたから〜来てみたの〜」

ってことは、最初からいたんだ
「っとまぁ、どうしたの?」
私の隣に座った優斗くん

誰かに話したい気分だし、話しちゃおうかな?

「えっと、実は……るいくんのことで」
「るいくんと手が当たったりすると、なんて言うか…心臓が破裂しそうになるの…」
優斗くんは、「うーん」と可愛らしく、「こてんっ」と首を傾げた

「あっ!」
急に声をあげた優斗くんは、「恋じゃない?」
二人の間に沈黙が流れる

言葉を理解すると、顔が「ぼっ」と真っ赤になったのが分かった…

 「ふふふ〜」
「それじゃあまたね〜」
私が、恥ずかしさで固まっていると、優斗くんは行ってしまった

 恋…か
なんだか心の中にあったモヤモヤが晴れる気がする…