「今日は学園祭のじゅんびをしまーす」学級委員の人が言った。

「学園祭、学園祭だよね楽しみ〜」

…学園祭か…

「うちのクラスは、劇をやることが決まってます」

ざわざわとざわめくと、やだーと批判の声があがっている。
 あれ?みんな劇嫌なのかな?

「まあまあ、もう決まってるから」
一生懸命なだめてる。
大変そうだな
でも、劇は楽しそう!
「まず、劇は、王道のシンデレラをやってもらいます」
 シンデレラっ!本当に?私大好きなんだよねシンデレラ!楽しみ〜
 「じゃあ、役決めから始めたいと思います。」
役か、目立たないのがいいな
 「推薦でもいいので発表してください」
うーん 木とか草とかないかな?
 
 「はーいはーい!私、シンデレラは野中まいさんが良いと思いまーす!」
 うんうん周りの子も頷いている
 

え?
野中 まいさんって私だよね
いや、きっと違う聞き間違えだ
うんうん
勝手に納得した私に


「野中さん。シンデレラやってくれるかな?」



………私か


どうしよう?恥ずかしいけど断ったら空気悪くしちゃうよね
けど、やっぱり無理
 ごめんなさい
「わ…私以外の人の方が」
断りかけたところで

気づいてしまった……
学級委員の人の目がキラキラしていることに…
「は…い」


やっちゃった。やるって言っちゃったー

「ほんとに?やったー」
「それじゃあ、シンデレラは、野中まいさんに決まりましたー」

後悔しても、もう遅い
うなだれている時、るいくんがじっと見ていることにも気づかずに…