「リオル様が昨日十八歳とお聞きしましたので、リオル様を迎えに来たんです」

「だから今日、私のとこへ来たんですか……?」

「そうです。 リオル様と結婚するために、です」

 たしかに昨日、私は十八歳になった。 十八歳になったタイミングで婚約者が来たっていうのは、そういうことだったの?
 法律では結婚出来る年齢が女性も男性も十八歳になってからと決まっている。 だから今になって、ミツキさんは私の元に現れたのだと察知した。
 
 十八歳になったタイミングでここに来たってことは、その許嫁だという私と結婚するためにここに来たのだと。 
 未だに信じられないが、ここまでされると本当なのではないかと信じざるを得ない。

「……あの、ミツキさん」

「はい」

「結婚の話はわかりました」

 私がそう伝えると、ミツキさんは「では早急に結婚の話を……」と話し始めたので、私はそれを遮り「申し訳ありませんが、この話は聞かなかったことにさせてください」とミツキさんに伝えた。

「え? それはどういう意味でしょうか、リオル様……?」

 目をまんまるくして私を見るミツキさんに、「ですから、先程も申し上げました通りです。 私はあなたと結婚するつもりはないので、この縁談はお断りさせていただきます」と伝えた。

「ちょっと待っていただけますか。 僕たちは許嫁なので、結婚する運命なのですよ?」

 結婚するかしないかを決めるのはこの私だ。強制された結婚なんてごめんだ。