「よし、次の嫌われ作戦を決行しよう」

 嫌われ作戦第二弾だ。 次はどんな作戦で行こう。

「……そうだ」

 次の作戦は料理で行こう。私は特に料理が苦手なのだ。
 料理が下手だとわかれば、ミツキくんも結婚をやめるかもしれない。 そう思った私は、すぐにミツキくんに連絡を取った。
 
【ミツキくん、今日時間ある?】

【もちろんだよ】

【夕飯食べに来ない? 私夕飯作るんだけど】

 今日は母と父二人とも出張でいないので、私一人なのだ。 これならきっとミツキくんに嫌われること間違いない。
 なにせ私は、とんでもないほど料理が下手なのだ。 私の料理を食べたらきっと驚くほど不味いはずだから、それならきっと嫌われてくれるはずだ。

 普通なら美味しいものをたべさせたいという気持ちがあるから頑張れるはずだが、敢えて不味い料理を作ることに命をかけるなんて辺なのだが。
 これで結婚を取り下げてくれるのなら、私は全力で不味い料理を作る。

 作る料理は……あれにしよう。 絶対に失敗しないであろうあれをも失敗してしまうのが私なのだ。
 このギャップを見せれば、きっと……。

「よし、早速買い出しに行こう」

 両親がいない日は基本的にお弁当を買って食べているのだが、今日は違う。
 婚約者に嫌われるためだけに料理をする。ちゃんと嫌われるような料理を作らないと……。

 買い物を済ませて家に帰り、すぐに食事の用意をした。
 料理をするのは本当に久々だ。ちゃんと出来るかな、下手に……。