「いえ」

 カラオケ店からほど近い位置にあるファーストフード店は、学生さんや家族連れで賑わっていた。
 というのも、この街にはファーストフード店が少なくて、この店舗以外に後二店舗しかないので、いつも賑わっていた。

「あの、ミツキさん」

「はい」

「ミツキさんも、今高校生ですよね? どこの学校ですか?」

 そう問いかけると、ミツキさんは「いえ、私は高校には通っていません」と答えたのだった。

「え? 通ってない?」

「はい。高校卒業のための試験を飛び級でパスしましたので、高校に通わずとも卒業していることになっています」

 ……ん? 高校の試験を飛び級でパスしたって……言った?
 卒業していることになっているって、言ったよね?  まさかだけど……この人、めっちゃ頭いいっ!?

「リオル様? どうされました?」

「……あの、ミツキさん」

「はい」

「もしかして……めっちゃ頭いいですか?ミツキさんって」

 そういうことだよね? そういうことだと、私は思っているのだけど……間違ってる?

「頭がいいかどうかはわかりませんが、校内試験ではいつも学年で一番でした」

「……ウソでしょ」

 ミツキさん、やっぱり頭いいんだ……!? しかも、学年で一番!?
 ……私、ミツキさんには勝てないな。 私なんて試験に落ちてしまった身だ。

「ミツキさん、試験をパスしたって……それいつの話ですか?」

「中学一年生の時です」

 ちゅ、中学一年っ……!?