そうすれば彼もきっと私を嫌いになって、結婚したくないと言うはずだと考えたのだ。

「……よし」

 そうとなれば、作戦決行よ!


* * *


「ありがとうございました、リオル様」

「こちらこそ、寒い中ありがとうございました。気をつけて帰ってください」

「ありがとうございます。……では、またご連絡致します」

「はい」

 ミツキさんが帰った後、私はどうすればミツキさんに嫌われるか考えることにした。
 ミツキさんに嫌われるには、まず私が嫌われ役になることから始まる。 ミツキさんに嫌われるため、私は作戦を夜な夜な考えることにした。

「何がなんでも、嫌われて結婚を回避してやるんだから」
 
 がんばれ、私っ!

 早速そのチャンスが巡ってきたのが、それから数日経った時のことだった。

「もしもし、ミツキさん?」

「リオル様、こんばんは」

「こんばんは」

 ミツキさんの方から電話をかけてきてくれた。

「明日、リオル様は学校などありますか?」

「午前中は学校ですけど、午後からは空いてますよ」

 そう話すと、ミツキさんは「では、明日デートをしませんか?」と提案してくれた。

「デート……ですか?」

 ミツキさんとデート? これは嫌われチャンスが、来たかも……?

「はい。リオル様とデートがしたいと思いまして」

「デート……。はい、ぜひ」

 デートでの嫌われポイントなら、いくつかある。それを実行して、嫌われてやるんだから!