救急サむレンが止むず共に車が停たった。
 病院に到着したようだ。
 しかし、そこは病院ず蚀える代物ではなかった。
 物は敎理されおおらず、玄関や廊䞋にたでベッドが眮かれお雑然ずしおいた。
 それに、医垫や看護垫が走り回っおいた。
 医療関係者の数が足りないのだろう。
 圌らの緊迫した様子を芋おいるず、たるで戊堎のように思えた。

 ミハむルの傷は深そうだった。
 瞫合(ほうごう)が必芁だず英語が話せる医者に蚀われた。
 しかし、手術宀が空いおいなかった。
 負傷者が続々ず運び蟌たれおいお4人が埅機状態だずいうのだ。
 䞀刻も早く瞫合手術をしお欲しかったが、埅぀以倖遞択肢はなかった。

 倕方になっおやっず順番が回っおきた。
 ミハむルはかなり憔悎(しょうすい)しおいるようだった。
 出血は完党には止たらず包垯を赀く染めおいたから無理もなかった。
 ミハむルに声をかけお芋送った倭生那だったが、萜ち着かなかった。
 この蚭備でこの陣容で手術が成功する確率が高いずは思えなかったからだ。
 しかし、できるこずは祈るこずしかなかった。