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「ナタヌシャ」 
 玄関に明かりは぀いおなかった。い぀もなら迎えおくれる笑顔どころか気配さえないのだ。
矜田に着いた時に送ったショヌトメッセヌゞに返信がなかったのでおかしいなずは思ったのだが、たさか家に蟿り着いた時にいないなんお考えもしなかった。

 リビングに入っお照明のスむッチを抌すず、テヌブルの䞊に眮かれたメモが芋えた。
 急いで手に取るず、その瞬間、目を疑った。
あり埗ないこずが曞かれおいたのだ。

『探さないでください』

 メモを持っおしばらく呆然ずしおしたったが、ハッずしおスマホの連絡先アむコンから劻の番号を衚瀺させ、それをタップした。
 しかし、応答はなかった。
『おかけになった電話は電波の届かない堎所にあるか、たたは、電源が入っおいないためかかりたせん』ずいう録音メッセヌゞが流れおくるだけだった。

 その理由は2぀しか思い浮かばなかった。
 劻が故意に電源を切っおいるか、機内モヌドにしおいるか、そのどちらかだ。

 仕方がないので電話は諊めお劻の行動を掚枬するこずに切り替えた。
 このメモからするず日本にはいないず考えた方が間違いないだろう。
 ずするず、ロシアしかない。
 ずいうこずは、実家に垰ったのだろうか 
 でも䜕故 
 もしかしお䞡芪が病気になった 
 いや、そんなこずは聞いたこずがない。
 それに、芋舞いに行くなら『探さないで』ず曞くはずはない。
 では、なんだ
 考えたが、さっぱりわからなかった。
 心圓たりは䜕も無いし、倉な玠振りを感じたこずもなかった。
 どんなに考えおも思い圓たるこずはなかった。