「……は?」
「え」
「異世界、転生……」

 思わず間抜けな声が出る。
 

「でも姿は変わってないし…、声も変わってないし…違うのはここが知らない場所ってことくらいじゃ」
「『知らない場所』っていうのが1番アレでしょ」

 アレってなんだよ、って言いたいけどなんかわかる気がする。言葉にできないけど。

「ていうか、あたしが最初に起きたのよ。で、なんか黒っぽい服着た人が来てしゃべったわけ。『お前らは異世界転生した』ってね。ほんとうに一言だけ言ってどっか行った。ほんとの話よ?」

「アリア……」
 クレアが言った。

「あなたものすごい体験してるわね……」
「うん。まぁでもそういうクレアもここに来てる時点で結構すごい体験してると思うけど。」
「それもそうね」

「でさ、じゃあ異世界転生したのはいいとして、じゃあなんで私たちが集められたの?」
 私が聞く。
「確かに」

 みんなが黙ったとき、ルーナがおずおずと手を挙げた。

「あの…、ここに来る前のみんなの共通点を探してみたらどうですかね…」
「おー!ルーナっち、ナイスアイデアっ!出してみよ、共通点」

 いつのまにかクレアがルーナにあだ名つけてる……まぁいっか。

 アリアが言った。
「じゃああたしから。ここに来る前は…、えっと。アズール国(あずーるこく)に住んでて、殺し屋をしてた」
「え、まって」
 私は思わず声をあげる。

「なに?」
「アリア、殺し屋だったの?」

「え、うん。そう言ったじゃない」


「私も……、アズール国に住んでて、殺し屋だった」