「あの……その、ライアン。これって、もしかして……」

「そうなんだ。僕がずっと、勘違いをしてしまっていて、すまなかった……君の事が好きなんだ。ニコル。こんな僕と結婚してくれて、ありがとう。二年間、不安な気持ちにさせてしまって、本当にすまなかった」

「ライアン。私の事が好きなの……? 本当に?」

「こんなことで、嘘なんてつくはずないよ。ニコル。それに、君は理想的な妻として、僕のことを支えてくれた。実は僕は今までそういう素振りのなかった君が、例の恋人と、いよいよ会うのではないかと思っていたんだ。時期的に、おかしくないからね」

「あ……覚えていたのね」

 あまりにも変わらない普通通りの態度だったので、ライアンは、もしかしたら二年の約束を忘れていたのかと思っていた。

「忘れるはずなんてないよ。僕が作った期限だったからね。けれど、君と暮らしている内に、どうしても離したくなくなったんだ。ニコル。君を愛するライバルが居るならば、正面からぶつかれば良いと……奪い取ろうと思ったんだ」

「それで、あんな風に兄に攻撃的な態度を? ライアン……」