完全に涙が止まり落ち着いた私に、嘘をついてまで諦めさせようとしたのは、流石にやり過ぎてしまったと反省したのかもしれない。
デュークは言いづらそうではあったものの、初めて私に『これからお茶をしないか』と誘ってくれたのだ。
もちろん……これまでにデュークは私の誘いをことごとく断っていたので、バツの悪そうな表情をしていた。
けれど、これは私にとっては、とても嬉しいことだった。
すぐ前のことを忘れて浮き足立ってしまった私は、近くに控えていた侍女エボニーとアイボリーに命じ近くの応接室を準備させた。
王族に付く侍女である彼女たちは優秀で鼻の良い獣人たちが好んで飲むとされている花の良い匂いのする茶葉で、わざわざお茶を淹れてくれたようだった。
けれど、デュークは何故かお茶に手を付けない。私の優秀な侍女の不手際は、余り考えられないから不思議だった。
もしかしたら、彼には私たちに気がつかない何か気になることがあったのかもしれない。どうしたのかと、私は彼の名を呼んだ。
「デューク……?」
首を傾げた私の呼びかけの意図をきっとそうするだろうと予想していたのか、ニヤッと悪く笑って長い足を組み直しつつ何度か頷いた。
「すみません。俺は熱いのは苦手なんで、お茶を飲むのは、もう少し冷めてからにします」
デュークは言いづらそうではあったものの、初めて私に『これからお茶をしないか』と誘ってくれたのだ。
もちろん……これまでにデュークは私の誘いをことごとく断っていたので、バツの悪そうな表情をしていた。
けれど、これは私にとっては、とても嬉しいことだった。
すぐ前のことを忘れて浮き足立ってしまった私は、近くに控えていた侍女エボニーとアイボリーに命じ近くの応接室を準備させた。
王族に付く侍女である彼女たちは優秀で鼻の良い獣人たちが好んで飲むとされている花の良い匂いのする茶葉で、わざわざお茶を淹れてくれたようだった。
けれど、デュークは何故かお茶に手を付けない。私の優秀な侍女の不手際は、余り考えられないから不思議だった。
もしかしたら、彼には私たちに気がつかない何か気になることがあったのかもしれない。どうしたのかと、私は彼の名を呼んだ。
「デューク……?」
首を傾げた私の呼びかけの意図をきっとそうするだろうと予想していたのか、ニヤッと悪く笑って長い足を組み直しつつ何度か頷いた。
「すみません。俺は熱いのは苦手なんで、お茶を飲むのは、もう少し冷めてからにします」