「デューク……」
「……姫。もしかして、もっと俺のこと好きになりました?」
ついさっき芝居を打ってまで自分のことを諦めさせようとしていたデュークは、望んでいたことと反対の結果になってしまったことに、微妙な顔付きになってしまっているようだ。
私は困っている様子の彼に、思わず吹き出してしまった。
「ええ。その通りよ。私を貴方から諦めさせたいというのに、完全に逆効果になってしまったわね。デュークは……本当に、中身までも素敵なんだもの。私がぜひ結婚して欲しいと気に入ってしまうのも、それはどうしようもないわ。仕方ないわね」
所在なさげに頭を掻いたデュークが心配していることは、確かにそうなんだけど……今はまだ若い団長になりたてのデュークが、彼の確固たる地位を築くまでは、もう少しだけ傍に居たい。
私の望みは、ただそれだけなの。
「……姫。もしかして、もっと俺のこと好きになりました?」
ついさっき芝居を打ってまで自分のことを諦めさせようとしていたデュークは、望んでいたことと反対の結果になってしまったことに、微妙な顔付きになってしまっているようだ。
私は困っている様子の彼に、思わず吹き出してしまった。
「ええ。その通りよ。私を貴方から諦めさせたいというのに、完全に逆効果になってしまったわね。デュークは……本当に、中身までも素敵なんだもの。私がぜひ結婚して欲しいと気に入ってしまうのも、それはどうしようもないわ。仕方ないわね」
所在なさげに頭を掻いたデュークが心配していることは、確かにそうなんだけど……今はまだ若い団長になりたてのデュークが、彼の確固たる地位を築くまでは、もう少しだけ傍に居たい。
私の望みは、ただそれだけなの。