見るからに女泣かせなワルっぽい風情を漂わせるデュークは、そのことをちゃんと理解しているようだった。

「えっ……かっ、可愛い? そうしたら、私と結婚してくれる?」

 思わず顔を熱くしていつもの求婚をすると、片手を上げてにっこりと笑った。

「いやー、それと結婚とは全然別問題なんで」

「もうっ。何よ。意地悪」

 そうしてデュークに揶揄われている間に、落ち込んでいた話を変えられたと気がついた。

 好かれたら困るくせに、本当に優しいんだから。