ラインハルトお兄様がこのように大袈裟に実の妹を持ち上げるのもいつものことなので、私は特に気にもせずに自分の前に置かれたお茶へと手を伸ばした。
「ラインハルトお兄様と結婚してしまったら、国中の女性から恨まれてしまうわ。私は絶対に嫌です……未来のお義姉さまとなられる方も、きっと大変だろうと思いますわ」
ラインハルトお兄様には、現在は婚約者が居ない。
実は幼い頃からの婚約者の方が不慮の事故で数年前に儚くなって、それから喪に服するとして、未だ次の婚約者を決めていない。
実際のところ妹姫の婚約なんかよりも、王太子の婚約の方が国にとっては大事で急務だったりもする。
「……僕も想像をするしか出来ないが、一国の王妃となれば気苦労も凄いだろう。とても、息苦しいだろうね。世界一愛する妹には、そんな想いはさせたくはない」
ラインハルトお兄様は、亡くなった婚約者の方のことでも思い出したのか、どこか遠くを見るような憂い顔になった。
私にはこの事について、何も言えない。
「ラインハルトお兄様と結婚してしまったら、国中の女性から恨まれてしまうわ。私は絶対に嫌です……未来のお義姉さまとなられる方も、きっと大変だろうと思いますわ」
ラインハルトお兄様には、現在は婚約者が居ない。
実は幼い頃からの婚約者の方が不慮の事故で数年前に儚くなって、それから喪に服するとして、未だ次の婚約者を決めていない。
実際のところ妹姫の婚約なんかよりも、王太子の婚約の方が国にとっては大事で急務だったりもする。
「……僕も想像をするしか出来ないが、一国の王妃となれば気苦労も凄いだろう。とても、息苦しいだろうね。世界一愛する妹には、そんな想いはさせたくはない」
ラインハルトお兄様は、亡くなった婚約者の方のことでも思い出したのか、どこか遠くを見るような憂い顔になった。
私にはこの事について、何も言えない。