「……王家の者が行方不明になれば、それも仕方ないことだとわかっているだろう? 状況がわからないから、お前の身を盾に何を言い出すか、わからなかったんだ。僕らが守るべき国民の不利益を招くことになる。アリエルだって、それは嫌だろう?」
「そうね……それは、そうだけど」
アリエルは自分の立場を理解している。自分の身ひとつでどれだけ価値があるのか、それを言い聞かせてきたのは、他でもない僕だからだ。
「……ああ。ナッシュ卿、今回の旅は大変だったようだ。君も無事で良かったよ。報告はすべて聞いている。君が居るからと妹を任せたのは、どうやら正解だったようだ」
妹の後ろに居た彼は、笑顔の僕の言葉を聞いて顔を引き攣らせた。少々嫌味な言い方になってしまうのも仕方ない。
定期連絡が途絶え、妹の無事の連絡を聞くまで、生きた心地がしなかったのだ。
妹は将来結婚を望む男でなければ、何もなくでは終わらせられなかった。
「不甲斐なく、アリエル様に危険を近づけてしまい、申し訳ありませんでした」
「そうね……それは、そうだけど」
アリエルは自分の立場を理解している。自分の身ひとつでどれだけ価値があるのか、それを言い聞かせてきたのは、他でもない僕だからだ。
「……ああ。ナッシュ卿、今回の旅は大変だったようだ。君も無事で良かったよ。報告はすべて聞いている。君が居るからと妹を任せたのは、どうやら正解だったようだ」
妹の後ろに居た彼は、笑顔の僕の言葉を聞いて顔を引き攣らせた。少々嫌味な言い方になってしまうのも仕方ない。
定期連絡が途絶え、妹の無事の連絡を聞くまで、生きた心地がしなかったのだ。
妹は将来結婚を望む男でなければ、何もなくでは終わらせられなかった。
「不甲斐なく、アリエル様に危険を近づけてしまい、申し訳ありませんでした」