「姫。すみません。放って置いてしまって。あそこがとりあえず安全だったもんで。もう安全っすよ。ここは……城から離れた一軒家のようですね」
私も彼に言われて、外を見ていた。今は朝になっているようで、ダムギュア王国の企んだことと言うよりも、個人的な恨みを持つ王太子一人の暴走の結果のようだ。
「……俺は姫のために、自分を抑えられるようになりました。ありがとうございます」
「え? どういうこと?」
私の肩を抱いて、外へと歩きながら、デュークは苦笑した。
「俺は幼い頃から、怒ると手が付けられなくなるんす。けど、今は番と自分が定めた姫を傷付けてしまうことを、本能で恐れるようになりました。だから、もう……大丈夫っす」
「番……? 私って、番なの!?」
「むしろ、なんだと思ってたんすか……」
獣人は番を定めたら、一生番を愛するのだ。それを知っていた私は、こんなにも殺伐とした現場で一人だけ嬉しそうな顔を隠せなかった。
私も彼に言われて、外を見ていた。今は朝になっているようで、ダムギュア王国の企んだことと言うよりも、個人的な恨みを持つ王太子一人の暴走の結果のようだ。
「……俺は姫のために、自分を抑えられるようになりました。ありがとうございます」
「え? どういうこと?」
私の肩を抱いて、外へと歩きながら、デュークは苦笑した。
「俺は幼い頃から、怒ると手が付けられなくなるんす。けど、今は番と自分が定めた姫を傷付けてしまうことを、本能で恐れるようになりました。だから、もう……大丈夫っす」
「番……? 私って、番なの!?」
「むしろ、なんだと思ってたんすか……」
獣人は番を定めたら、一生番を愛するのだ。それを知っていた私は、こんなにも殺伐とした現場で一人だけ嬉しそうな顔を隠せなかった。