はあっと大きく息をつきだるそうに頬杖をついたデュークの頭を、マティアスは遠慮なしに手に持っていた書類で叩いた。
「あのですね。団長が若い騎士でありながら楽で俸給が良い仕事に就いているのは、陛下からのこの国に留まって欲しいという粋な計らいですよ……まあ、大切な姫まで花嫁に頂けると言うのであれば、団長はお望み通りに、ユンカナンの守護神になられるでしょうが」
「……なんだそれ。やめてくれよ。変な名前を付けるな」
とても嫌そうな顔を浮かべたデュークは、隣に立って、重要な書類を選り分けているマティアスに苦情を言った。
「別に、守護獣でもよろしいですよ……あ。ヘンドリック大臣。おはようございます」
いきなりマティアスが姿勢を正して敬礼し、扉へと向けて挨拶をしたので、私たちは彼と同じ方向に目を向けた。
「おはよう。姫も、ご機嫌麗しゅう……ナッシュ。仕事だ。ダムギュアから共同演習前に、お前にも来て貰って打ち合わせがしたいという要請が出ている」
「は? 俺っすか? あの国だと俺……じゃない方が、良くないですかね?」
「あのですね。団長が若い騎士でありながら楽で俸給が良い仕事に就いているのは、陛下からのこの国に留まって欲しいという粋な計らいですよ……まあ、大切な姫まで花嫁に頂けると言うのであれば、団長はお望み通りに、ユンカナンの守護神になられるでしょうが」
「……なんだそれ。やめてくれよ。変な名前を付けるな」
とても嫌そうな顔を浮かべたデュークは、隣に立って、重要な書類を選り分けているマティアスに苦情を言った。
「別に、守護獣でもよろしいですよ……あ。ヘンドリック大臣。おはようございます」
いきなりマティアスが姿勢を正して敬礼し、扉へと向けて挨拶をしたので、私たちは彼と同じ方向に目を向けた。
「おはよう。姫も、ご機嫌麗しゅう……ナッシュ。仕事だ。ダムギュアから共同演習前に、お前にも来て貰って打ち合わせがしたいという要請が出ている」
「は? 俺っすか? あの国だと俺……じゃない方が、良くないですかね?」