同じ馬車で帰ることになったデュークが「書庫で必要な書類を見つけるだけで、長く時間が掛かる。おかげで、帰る時間が遅くなる」と愚痴を言っていた。
デュークがそんなことを言うのは珍しいし、話を聞けば不満に思うのは仕方ないことだと思った。
それを聞いた私が実はこういう良い方法もあってと切り出せば、きらんと目を光らせた彼がすぐに書類管理をする責任者に提案して、私が言って居た分類方法を取り入れてもらおうと言う流れになった。
「姫って、本当に優秀なんすね。自慢の姫なの、わかります」
周囲を見渡したデュークは「これでわかりやすくなった」と手放しで喜んで、目を細めていた。彼がこんなに喜んでくれるなら、もっと早くに言った方が良かったかもしれない。
「それは、大袈裟よ。偶然、その関係の書籍を以前に読んでいただけだわ」
そうは言っても、自分の知識を役立てて、こうしていろんな人から感謝されて喜ばれる事は、とても嬉しい。
誰かの役に立つことが出来たと言うなんとも例えがたい、晴れ晴れとした充足感があった。
「あの……姫。俺が前に言ったこと、覚えてるっすか」
「え?」
デュークがそんなことを言うのは珍しいし、話を聞けば不満に思うのは仕方ないことだと思った。
それを聞いた私が実はこういう良い方法もあってと切り出せば、きらんと目を光らせた彼がすぐに書類管理をする責任者に提案して、私が言って居た分類方法を取り入れてもらおうと言う流れになった。
「姫って、本当に優秀なんすね。自慢の姫なの、わかります」
周囲を見渡したデュークは「これでわかりやすくなった」と手放しで喜んで、目を細めていた。彼がこんなに喜んでくれるなら、もっと早くに言った方が良かったかもしれない。
「それは、大袈裟よ。偶然、その関係の書籍を以前に読んでいただけだわ」
そうは言っても、自分の知識を役立てて、こうしていろんな人から感謝されて喜ばれる事は、とても嬉しい。
誰かの役に立つことが出来たと言うなんとも例えがたい、晴れ晴れとした充足感があった。
「あの……姫。俺が前に言ったこと、覚えてるっすか」
「え?」