拗ねて言って歩き出せば、デュークは慌てて付いて来た。

「すみません。けど、ぜんぜんわざとじゃないっすよ。おかしいな……姫をひと目見れば、絶対に記憶に残るっすよ。悪い魔法使いに、記憶を消されたのかも知れません……」

「だから、もうっ、そういう見え透いた言い訳は良いってば」

 珍しく彼の前で気分を害し私のご機嫌を取ろうとしてか、デュークは通算二度目のお茶に誘ってくれたので……これはもうこれで、良いこととする。