「私自身も、たまに過保護に感じることもあるのですが、亡くなった人には……もう二度と会うことは叶いませんから。叱る人も居ずに、延々とそれはエスカレートするばかりなのですわ」
父のことを困ったものだと私は苦笑して肩を竦めると、ルイ様は意図を察してくださったのか空気を緩めて微笑んだ。
「……陛下は、それはそれはアリエル様のお母さまを愛していらっしゃったようだ。それに、遺されたのがこのように愛らしい姫君であれば無理はない。私も大人しく国へとこのまま帰ろうかと思っていたのですが……こうしてお会いすると、なかなか諦めづらくなるものですね」
「まあ……」
現在、私の頭の中には『どうしよう』が、口から零れてしまいそうなほどに溢れている。
私が父にデュークとの縁談を願った本日昼前に、これを言われたのであれば一考の価値はあったかもしれない。
以前は仲の悪かった隣国へと、友好的な関係を強化するために王族の姫が嫁ぐのなら当然のように国益にもなり、お互いに血縁者となることで未来起こり得る争いを防ぐことが出来る。
父のことを困ったものだと私は苦笑して肩を竦めると、ルイ様は意図を察してくださったのか空気を緩めて微笑んだ。
「……陛下は、それはそれはアリエル様のお母さまを愛していらっしゃったようだ。それに、遺されたのがこのように愛らしい姫君であれば無理はない。私も大人しく国へとこのまま帰ろうかと思っていたのですが……こうしてお会いすると、なかなか諦めづらくなるものですね」
「まあ……」
現在、私の頭の中には『どうしよう』が、口から零れてしまいそうなほどに溢れている。
私が父にデュークとの縁談を願った本日昼前に、これを言われたのであれば一考の価値はあったかもしれない。
以前は仲の悪かった隣国へと、友好的な関係を強化するために王族の姫が嫁ぐのなら当然のように国益にもなり、お互いに血縁者となることで未来起こり得る争いを防ぐことが出来る。