こういった夜会では、主役級とも言えるこのような豪華な服装を着用出来るのは、地位の高い王族に限られる。
そして……彼は私と同じ、ユンカナン王国の王族ではない。
「……私に何か御用でしょうか?」
私は無邪気を装って微笑み、首を傾げた。
『彼』は私のことを、知っているはずだ。だって、このユンカナン王国には、私に結婚を申し込みに来たはずだもの。
「ええ。お初に、お目にかかります。ユンカナン王国の秘蔵の姫君、アリエル様。私はダムギュア王太子ルイ・ヴェルメリオと申します。良ければ、今後ともお見知りおきを……」
ルイ王太子のご身分では隣国の王族とは言え、私に対してこうして名乗ることも普通ならあり得ないことだ。
けど、ルイ様はお互いに傍付きを通さずに、直接私と話すことを望んでいるようだった。
「あら……これは、失礼致しました。私はアリエル・ノイエンキルヘン。こちらこそこうしてお会い出来て光栄です。ルイ様」
ルイ様へどのような態度を取るべきか悩んだ私は、身近な目上の人に対するように腰を屈めてお辞儀をした。
そして……彼は私と同じ、ユンカナン王国の王族ではない。
「……私に何か御用でしょうか?」
私は無邪気を装って微笑み、首を傾げた。
『彼』は私のことを、知っているはずだ。だって、このユンカナン王国には、私に結婚を申し込みに来たはずだもの。
「ええ。お初に、お目にかかります。ユンカナン王国の秘蔵の姫君、アリエル様。私はダムギュア王太子ルイ・ヴェルメリオと申します。良ければ、今後ともお見知りおきを……」
ルイ王太子のご身分では隣国の王族とは言え、私に対してこうして名乗ることも普通ならあり得ないことだ。
けど、ルイ様はお互いに傍付きを通さずに、直接私と話すことを望んでいるようだった。
「あら……これは、失礼致しました。私はアリエル・ノイエンキルヘン。こちらこそこうしてお会い出来て光栄です。ルイ様」
ルイ様へどのような態度を取るべきか悩んだ私は、身近な目上の人に対するように腰を屈めてお辞儀をした。