『運命の番』というとてもロマンチックな存在は、怠惰な彼からすれば普段の自分にある余裕を奪い去ってしまう嫌なものでしかないのかもしれない。
「私はデュークになら、何されても構わないわ」
頭の上で彼の手を取ってくるりとターンをした私に、デュークはとてもわかりやすく顔を顰めた。
「そういうの……たとえ思っていたとしても、口には出して言わない方が良いっすよ」
「あら。だって、私は本当にそう思っているもの」
デュークには未だに冗談だと思われているしれないけど、私だって成人していて彼と結婚したいとまで考えている。
「……そうだとしてもです。姫が思っているより、世界はとても危険なもので溢れているので」
「もし……『運命の番』なら。私をこのお城から、連れ去ってくれた?」
私は軽い冗談のつもりだったんだけど、デュークはなぜか浮かない表情をしている。
「俺はこれまでに運命の番に会ったことがないので、他から聞いた話で想像するしかないすけど……運命の番に会った獣人は結ばれれば、それはそれは幸せそうですが結ばれない場合の苦しみは、想像を絶します」
「まあ」
「私はデュークになら、何されても構わないわ」
頭の上で彼の手を取ってくるりとターンをした私に、デュークはとてもわかりやすく顔を顰めた。
「そういうの……たとえ思っていたとしても、口には出して言わない方が良いっすよ」
「あら。だって、私は本当にそう思っているもの」
デュークには未だに冗談だと思われているしれないけど、私だって成人していて彼と結婚したいとまで考えている。
「……そうだとしてもです。姫が思っているより、世界はとても危険なもので溢れているので」
「もし……『運命の番』なら。私をこのお城から、連れ去ってくれた?」
私は軽い冗談のつもりだったんだけど、デュークはなぜか浮かない表情をしている。
「俺はこれまでに運命の番に会ったことがないので、他から聞いた話で想像するしかないすけど……運命の番に会った獣人は結ばれれば、それはそれは幸せそうですが結ばれない場合の苦しみは、想像を絶します」
「まあ」